2006.12.01 現状の分析
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 晴れ。 月齢10.2 十日余の月

 何だかまだ情報が錯綜しているようで、一体何が正しい情報かよく判らない状態なんですが(と、こういう事態に陥ったまま放置していること自体が情報保障を担う人達としてどうなんだろうって思う訳ですけれども)、そんな中でなんとか判った現状は従来の「制度派遣」は役所が非常勤でコーディネーターを採用し、役所(障害福祉室)が通訳者をコーディネートして派遣し、従来の「制度外」と役所の設置通訳者の委託に関しては従来通り通訳協会が続けるというもののようです。
 う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん
 ことの発端は一体何だったのか、どういう経緯でこうなったのか、その辺りがはっきりしないので、漠然と現状の評価と批判しか出来ない訳ですけれども、少し現状の分析をしてみたいと思います。
 制度外派遣を主とした通訳派遣となると、行政の関知しないところの話という事になる訳で、つまりは「福祉系独立企業」として運営(経営)していく事になるんだと思うんですよね(私は従来の体制でも既にそうだったはずだと思っていますけど)。こうなると、事業委託で賄えていたコストも独自に賄わなくなる訳で、周辺業務に必要なコストも従来は委託費の中に含まれていた研修費なども独自に捻出する必要が出てくる訳です。つまり、従来の予算を当てに出来なくなるという事はこれらの経費で賄っていた事に予算を回す事が難しくなるという事です。
 研修にしても、従来の研修は委託費で賄っていたので、今後は今までのような予算の使い方は出来なくなるでしょう。当然ですが、研修を減らすとか、質的に落とす(講師を呼べなくなるなどの可能性もある訳ですから)事になるでしょうから、技術の向上なども個人に任される点が増えるでしょう。
 しかも、制度外の派遣となると内容も技術も従来の制度派遣以上にレベルの高いものを求められますから、従来の福祉的側面の学習に重きを置いたものや技術についても十分とは言えないレベルの学習では企業のニーズには全く応じられないでしょう。そうなると、従来以上に研修が重要になるはずですが、そこに回せる予算は従来ほどとれない状態になる訳です。という事は、当然ですが、益々ニーズに対応出来ないという事になる訳です。
 恥ずかしい話ですが、私がもしも通訳のパートナーを自由に選んでも良いと言われても、指名したいと思うようなレベルに達している人は僅かに数人といったところです。大学の講義や企業の研修、会議といった無いようになると、はっきり言って「使える」通訳者はその程度しかいません。
 意識の問題も深刻だと思っています。例えば、「アン・ファーマティブアクション」という言葉を判らないまま(訳せないまま)1年間自分で調べる事もせず、1年後「それは何ですか?」と平気な顔で言えるなんていうのはプロ意識の欠如(そもそもそんな意識なんてないという事でしょうけれど)出しかあり得ません。
 制度外の通訳を中心にするとなると費用を負担するのは企業等という事になり、企業から見れば手話通訳といえど一般の言語通訳と同じレベルで見ますし、同じレベルを要求されます。果たして今の通訳協会の通訳者にこの認識を持った通訳が何人いるのでしょうか。
 また、従来は委託事業を基準としていた通訳者の報酬も、内容が難しく、要求レベルも高くなるとなると当然ですが、従来のレベルではやってられないとなるでしょう。その際に、「上手い通訳」と「下手な通訳」が同じ報酬で良いのかという問題も出てくるでしょう。
 ぱっと考えただけでもこういった深刻な問題が浮かび上がってくる訳ですが、こういった問題が想定出来る中で、制度の返還を決めた理由やメリットが全然私には見えてこないんですよね。目先のしんどさから逃れる為にこういった事を考えたとすると、全くもって先見性の無い団体という事になるでしょうし、従来、制度外通訳の部分には余り力を入れてこなかったのに、ここに来てこういう方法で運営を続けていけると思っているとすると、世間をなめているという気がしますね。