2007.09.19 企業のエゴ
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 晴れ。 月齢7.6 九夜月

 完全に夏山ながらの暑さが戻ってしまったようで、残暑というにはちょっと厳しい一日。9月も半ば過ぎたというのにこの暑さっていうのはどういう事なんでしょうね。といっても近畿だけの事のようで、関東以北は涼しくなってきているんだとか。近畿から見ると、うらやましい限りです。

 18日発表された経団連の「税制と財政の改革についての提言」によると、社会保障費が増える分を賄うために消費税の増税を実施し、それを福祉目的税化するように書かれているようです(「消費税を増税し福祉に」 経団連、税財政改革を提言)。また、道州制の導入と共に、税財政制度も改革。地方交付税を止め、同州が分配権を持つ地方共有税にしてはどうかと書かれているんだそうです。消費税の引き上げについては具体的には当面+2%とし、2015年までにさらに+3%という従来の主張を繰り返しているそうです。
 一般国民というか、消費者の税負担を増やす提言をする一方で、法人税に関しては「国際競争力を高めるために」法人実効税率の10%の引き下げも書かれているそうです。
 ところで、「国際競争力を高めるために」というお題目は今までにも何度も聞いている言葉で、これを理由に大幅なリストラを敢行し、正社員を減らした分を派遣や請負という形でアウトソースに頼り、それによって「人件費」という固定費を大幅に圧縮してきた訳ですが、その差額が一体どうなっているのかというと、株主への配当はここ数年で3倍に引き上げられ、経営陣(つまり会社役員)の「役員報酬」等は大幅に引き上げられているのが現実で、つまりは「お金のあるところにお金が集約する」という方向で流れただけで、「競争のためのコスト削減」がホントのところ本当に大きな理由だったのかどうか怪しい限りなんですよね(「節約した人件費の向かった先」)。
 「国際競争力の低下云々」と言い続けてきた企業が実は史上最大の利益を上げ、株主に従来の3倍近くの配当を当て、役員達はその分給料をどっさりと取り、そのくせ従業員への給料は据え置きもしくは引き下げ、酷い場合はリストラして正社員の1/3程度で済む派遣や請負に置き換えていっている。その結果、年間所得はぐんぐん目減りしているという中でさらに消費者の税負担は増やせ、企業の税負担はさらに軽くせよというのはどうも納得の出来ない事で、儲けて貯め込んだ金は何らかの形で社会へ還元されるべきモノで、企業の法人税はそれでなくても安くなっている訳ですから、格差是正という意味も含めてむしろ、法人税等を挙げる方向に行くべきなんじゃないかと思うんですけれど。企業が社会的存在意義を無視している状況というのは是正されるべきモノなんだと思うんですけどね。その辺りはどうなんでしょうか。
 このタイミングで、こういう提言を出してきたというのは、今後の政策がどっちに向いていくか判らないので、どうにか経済界としての意見を出しておこうというような意味合いがあるのでしょうか。ネオコンといわれた小泉-竹中ラインから、ニューリベラルといわれた安倍政権までは経済界の言いなりで進んできた訳ですが、これだけ格差が広がり、是正する事が必要ではないかという意見が自民党内部でさえ囁かれている状態では経済界の言いなりというのは難しいかも知れませんね。と言うか、これ、言いなりになっていちゃダメでしょ。
 そもそも、経済音痴の私にはよく判らないのですけど、ただでさえ所得が目減りしている消費者の税負担を増やすと、その結果、財布の口が堅くなり、購買活動が緩慢になり、結果的には企業がいくら作ったところで買わないという事になり、企業の成績に影響が出るんじゃないかと思うんですけどね。あ、そうか、日本なんてもう目に入っちゃいないって事か。
 つまり、グローバル企業にとっては市場は世界であって、その中で日本の市場がどうなるかよりも、中国を始めとした海外での市場の方が大切だという事なんでしょうね。「国際競争力をつける」と言う理由の影で日本企業が日本人を犠牲にしようとしている現状は、もはや「日本人なんてどうなろうと知ったこっちゃねぇ」っていうグローバル企業化した元日本企業のエゴという事なんじゃないでしょうか。
 ポスト安倍が誰かは今度の日曜日に決まる(我が市の市長もですけど)訳で、その後の日本がどうなるのか、今のところ全く判らない訳ですけど(と言いつつ、福田氏で決まりだろうと言う下馬評が有力ですけど)、果たして、国民を生かさず殺さずで「お金を産む機械」程度にしか思っていない政権が続くのか、それとも、暮らしやすい社会を築く政権が誕生するのか、注意を払いたいと思います。